ブラフの教科書

1.ブラフの種類

1.ブラフの種類

ブラフは大きく分けて2つに分かれます。

  • ピュアブラフ
  • セミブラフ

それぞれ一つずつ解説していきます。

①.ピュアブラフ
負けているハンド(自分がそう判断している)で、強気のベットをして相手をおろして勝つことです。
たとえばドローハンドで引けずに、結果ペアもなくJハイとかでベットをしたり、相手のベットに対してリレイズをするプレイです。

ピュアブラフはリバー時点でのノーペアハンドや、ターン時点でのボトムヒットなど、自分が負けていて、まくり目もない(またはほぼない)状況で自分のハンドを強く見せることを言います。

自分がトップペアやオーバーペアの時であっても、絶対に負けていると思っている状況であれば、それはピュアブラフに分類されます。

②セミブラフ
現状は強くないけれど、ターンまたはリバーで特定のカードが落ちればベストハンドになる可能性がある状況で強気にベットするプレイをいいます。

フラッシュドロー・ストレートドロー・2オーバーカードなど、現状は弱いがアウツが多い状況でベットをするのがセミブラフです。
セミブラフは、相手のフォールドに期待するとともに、ベストハンドを引いてショーダウンして勝つことを期待したプレイです。

2.ブラフをするのに大切な7か条
3.条件①周りからリスペクトされている

3.条件①周りからリスペクトされている。

当然ながらブラフはブラフと見破られたら、成功しません。

ブラフと見破られないためには、相手に本当に手が入っていると思わせる必要があります。

そのためにもブラフするときは特に周りから自分がどう思われているか、自分のテーブルイメージを意識しましょう。うまいプレイヤーであればあるほど、相手はあなたがどんなハンドをショーダウンしたかを必ず覚えています。

例えばその日ブラフばかりしていて、ブラフしたハンドを何度もショーしたりしていると、相手はまたブラフかもしれないと思うので、リスペクトは得られません。

逆に、2ペア以上の強いハンドばかりをショーダウンしている場合は、強いハンドを持っているときしか参加しないプレイヤーと認識されリスペクトを得ることができます。

また、ほぼショーダウンしていない場合であっても、ハンド参加率が標準より高い場合は相手からのリスペクトは得られません。
ハンドを絞らずに参加してくる相手のハンドは怖くないからです。たまたま手が入って、標準以上に参加しているケースもありますが、ハンド参加率がテーブル平均値より高く目立ってしまっている場合はブラフは控えましょう。

また、上記の理由からゲーム序盤にブラフをすることもおすすめできません。

イメージが定着していない状態(ハンドをほとんどショーダウンしていない状態)でブラフをした場合、あなたのハンドを確認するためにコールしてくるプレイヤーもいるからです。

今日のテーブルイメージが定着している状態(中盤以降)でブラフを仕掛けることを心がけましょう。

4.条件②ターゲットはタイトでそこそこ打てる相手である

4.条件②ターゲットはタイトでそこそこ打てる相手である

フィッシュにブラフはするなという格言があります。

この言葉には2つの意味があります。

  1. フィッシュ相手なら、ブラフなしでも勝てるので、わざわざブラフをして自分のスタックをリスクにさらしてまで勝ちに行く必要はありません。普通に勝てるときに勝てばいいのです。
  2. フィッシュは、相手のハンドレンジとかを考えません。自分のハンドがそこそこ強ければ相手のアクションに関わらず、勝ってるかもで一か八かの勝負をしてきます。

こっちが今日の自分のテーブルイメージを武器にブラフをしているのに、相手がそれを考慮してくれなければ意味がありません。

ブラフをする場合のターゲットは、相手のハンドレンジをしっかり意識して負けていると判断したらポットに入れたチップを捨ててフォールドできるプレイヤーを相手にしましょう。

また、自分より格上のプレイヤーもターゲットにしてはいけません。
テルによる判断やブラフのストーリーに少しでも違和感を感じたら、すかさずコールしてくるシャーク相手にブラフするのはリスクです。

ターゲットはタイトでそこそこ打てる相手であることを意識しましょう。

5.条件③ターゲットがポットコミットしていない

5.条件③ターゲットがポットコミットしていない

ピュアブラフの場合やセミブラフで自分のアウツを引ける自信がないときにブラフをするときは、ポットコミットしている相手がいないことを確認しましょう。

極論ですがリバーで100BBのポットに対して、50BBをベットしてピュアブラフをした際に、相手のスタックが1BBしかなければほぼ必ずコールしてきます。

相手は、既にポットコミットしているので、負けているかもしれないと思いつつも、コールするしかありません。
そのような状況でベットアクションで相手を降ろしにいっても意味がありません。

どこまでがポットコミットかは人によって判断が異なりますが、基本的には勝率で見てきます。

例①.80BBのポットに対して、自分が50BBのベットでブラフを仕掛けたケースを想定

ケース1.
相手のスタックが10BB

80BBのポットに対して、相手の10BBが加算されるのでポットは90BBになる。そのプレイヤーは9:1のポットオッズを得るので、勝率10%あると思えばコールします。

ケース2
相手のスタックが30BB

80BBのポットに対して、30BBが加算されるのでポットは110BBになる。そのプレイヤーは11:3のオッズを得るので、勝率が20%あると思えばコールします。

ケース3
相手のスタックが50BB

80BBのポットに対して、50BBが加算されるのでポットは130BBになる。そのプレイヤー13:5のオッズを得るので、は勝率が30%あると思えばコールします。

どのケースでもそこそこの勝率があればコールされてしまいますので、相手が40%以上のスタックをそのポットに投資している場合は、オッズが合ってしまう事が多いのでブラフはやめておきましょう。

6.条件④ブラフする上でのストーリーがしっかりしている

6.条件④ブラフする上でのストーリーがしっかりしている

ブラフするにはストーリーが大事です。

プリフロップから強気なアクションをして、画像のようにフロップ・ターンとプリフロップで強かったハンドが絡んでいないようなようなカードが落ちても、引き続き強気なアクションをしている場合、相手は違和感を感じます。

このボードはローボードでかつ、フラッシュやストレートも十分見えるので、AKやAQなどプリフロップでは強いハンドがボードに絡んでいる可能性はダイヤのスーツ2枚でないかぎりは少なく、AAやKKであっても不安を覚えるボードです。

このようなボードでもプリフロップから引き続いて、フロップ・ターンでも強気のアクションをされると、Ax♢♢、Kx♢♢などのハンド以外はストーリーが成立せず、ブラフの可能性が高まってきます。

逆に、プリフロップ・フロップはコールで、ターンから強気なアクションをこちらから始めたらブラフであっても、相手はフラッシュやストレートを警戒するので、でかいブラフベットで相手をおろすことができます。

自分がどのようなハンドを主張しているのか、そのハンドを主張するならストーリーに違和感はないかを意識しましょう。

7.条件⑤ヘッズアップまたは3プレイヤーほどの少人数である

7.条件⑤ヘッズアップまたは3プレイヤーほどの少人数である

ブラフする際に大事なことは、プレイヤーが少数であることです。
プリフロップであれば、UTGから弱いハンドでいきなりレイズをかけてブラフを仕掛けていくのは得策ではありません。
9人テーブルであれば後ろに8人のプレイヤーがいるわけですから、リレイズなどが飛んできた際に勝負をするのはかなり勇気が必要です。

全員が降りている状況で、COやBTNなどからレイズを仕掛けたほうが、当然コールやレイズされる確率は減っていきます。相手も同じことを考えているので、どうせ弱いハンドじゃないかと、コールしてくるケースもありますが、相手がそうするかどうかはあなたの今日のテーブルイメージが大きく影響してきます。

フロップ以降であれば、4wayや5wayなどで、いきなりベットしたり、ベットに対してブラフでリレイズするのも得策ではありません。

プレイヤーが多ければ多いほど、ボードに絡んでいるハンドを持つプレイヤーがいる可能性が高まるからです。

応用編として、上記の裏をかいてブラフをするプレイもあります。

プリフロップからUTGでいきなり弱いハンドでレイズするプレイヤーは少ないというのが一般的な常識であるからこそ、相手は必要以上に警戒してきます。

24や56、46などの弱いハンドで、プリフロップから積極的に仕掛けて、ローボードでハンドが絡んだときなどは相手はあなたのハンドを読めなくなります。

プリフロップでのUTGのレイズのハンドレンジは、当然TT以上のペアやAKやAQになります。

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ここで、24や56、46などのハンドで2ペアやストレートなどのハンドを作った場合、相手はそのようなハンドは想定していないためバリューを大きく取ることができます。

また、フロップ以降で4wayや5wayの状況でも同じことが言えます。

人数が多ければ多いほど、皆が警戒を高めるため、ここでベットやレイズしてくるのはよっぽど強いハンドを持っているのだろうと相手は想像してくれて、ブラフが決まるケースがあります。

しかし、これはあくまであなたのテーブルイメージだけでなく、運も大事になってきます。

プリフロップであれば、AAやKKを持っているプレイヤーは決して降りないですし、フロップ以降であればボードに絡んでいるプレイヤーがたまたまいなかったという状況が必要になります。

8.条件⑥相手のハンドレンジがある程度読めている

8.条件⑥相手のハンドレンジがある程度読めている

ブラフをする際に、相手がナッツのハンドを持っていたら、相手は降りません。
プリフロップであれば、AAのハンドを降りる人はいません。

(ごくたまにいますが。。。。https://www.youtube.com/watch?v=4HCHPN1sGfU

このような状況で、ブラフで強気のアクションを仕掛けても自分のスタックを大きく削ってしまうだけです。
相手がどのようなハンドを持っているかを想定して、打っていくことが大切です。

先ほどと同じボードを想定して解説します。

■プリフロップ
プリフロップで、あるプレイヤーがミドルポジションからレイズ。
COのタイトなプレイヤーが積極的にリレイズを仕掛けてきたので、あなたはBTNでコールし、もう一人もコール。
3Wayでフロップが開かれたとします。

■フロップ

ミドルポジションがチェックしたところで、COがベットしきました。

ここで想定できるCOのハンドレンジは以下の通りです。

  1. ただのAx、Kxの2オーバーカードCBを打ってる。
  2. TTなどのオーバーペア
  3. Ax、Kx♢♢の2オーバーカード

COのプレイスタイルや今日ショーダウンしたハンドによってどれかの可能性は増減しますが、COがタイトなプレイヤーであればQQ以上のオーバーペアが濃厚かなという予想がつきます。

3の可能性も考慮しないといけませんが、都合が良すぎるので、ほぼほぼあなたはCOのハンドレンジをQQ以上のオーバーペアだろうと判断しました。

さて、QQ以上のオーバーペアの場合どのようなプレイが最適でしょうか?

ここでレイズしても、COは降りるかもしれませんが、QQ以上であればリレイズをしてくる可能性もあります。
相手があなたをドロー系のハンドと判断した場合、フロップで勝負にいったほうが期待値は良いからです。

QQ以上を確実に降ろすためには、フロップ3枚では足りません。

なのでここではコールしましょう。レイズよりコールされるほうが、怖い状況というのがあります。

このフロップで、コールされた場合、相手はあなたのハンドをフラッシュドローや78・56・57のワンヒットストレートドローなど、色々なハンドを想定してきます。

さて、あなたはコールして、ミドルポジションのプレイヤーはフォールドしました。どうやらミドルポジションはAxやKxのハンドだったようです。

■ターン
ヘッズアップでターンを見に行きます。

相手があなたをドロー系のハンドと想定しているとすると、5♢はフラッシュもストレートも完成する最高のカードです。

ここでCOはチェックしてきたので、BTNのあなたはベットしました。

COは少し悩んでコール。

ここでCOのハンドはほぼ絞られてきます。

  1. ♢1枚持ちのオーバーペア(この場合AAかKKが濃厚)
  2. ♢1枚持ちの2オーバーカード
  3. ♢2枚持ち○リバー

3の場合は、COはあなたをハメに来てます(笑)

COはチェックしてきました。
3であれば、完全にハメチェックですが、あなたはCOのハンドを1または2だろうとほぼあたりをつけました。

■リバー

リバーはラグが落ちました。

あなたはリバーも強気にベットしました。
COは名残惜しそうに自分のハンドを一瞥してから、諦めた表情でハンドをフォールドしました。

どうやら相手は♢持ちのQQだったようですね。

■まとめ
このピュアブラフは少し極端な例でリスクを考慮すると、通常このようなボードの場合は自分が♢Aを持っているなどセミブラフの状況で仕掛けるのが最適ではありますが、実用性はかなり高いアクションと言えるでしょう。

フロップでレイズなどを仕掛けると、相手にもう一度アクションを渡すことになるので、AAやKKなどだとリレイズオールインが飛んでくるケースがあります。

ブラフを仕掛ける場合、チェックやコールなどで相手に情報や選択肢を与えず、ターン以降で突然アグレッシブになるほうがうまくいくケースもあります。

プリフロップやフロップから積極的に仕掛けて相手を降ろすブラフもあれば、相手に主導権を与えてからターン以降で急にアグレッシブになって相手を降ろすブラフも有効です。

状況によって、最適なブラフを仕掛けましょう。

9.条件⑦スナップで強気のアクションをする

9.条件⑦スナップで強気のアクションをする

最後は、非常に単純なことですが、強気のアクションをするときはスナップで動くほうが効果的ということです。

極端な例ですが、相手にコールをされる際に、悩んで悩んで数十秒ほどたってから、「うーーん。。。コール」と言われるのと、「スナップでコール!」って言われるのはどっちが怖いでしょうか?

これは印象の話しなので、悩まれたほうが不気味だと言う方もいらっしゃると思いますが、やはりスナップでアクションされるほうが嫌な感じがするものだと思います。

フロップで悩んでコールしてきた相手がいたとして、ターンでラグが落ちたら、もう1回打てば降りるかも?って思いませんか?

強いハンドであえてそのようなテルを見せる相手もいますし、ハンドが強すぎてコールすべきかレイズするかで悩むケースもあるので一概に言えませんが、自分がブラフをする!と決めている場合は悩んでる様子を見せてはいけせん。

ブラフをすると決めたら、スナップで強気のアクションをしましょう。

ポーカーは素直に打つのが一番です。(ブラフは素直なプレイではないですがw)

ブラフで相手を降ろすために、強気なアクションを見せると決めたなら、スナップでアクションすることで力強くやりきることが大切です。