テキサスホールデムの基本ルール

1.テキサスホールデム基本情報

1-1.テキサスホールデムとは

ポーカーと言えば皆さんはドローポーカーをイメージする人が多いのではないでしょうか。
5枚のカードが配られ、そこから不要なカードを交換して役を競う。そんな前進のドローポーカーが進化して1990年代後半から爆発的な人気を誇っているのがこのテキサスホールデムです。
近年、日本での競技人口も鰻登りで頻繁に大会が開催されるなど麻雀と肩を並べる注目の頭脳スポーツです。
現在、日本でも多くのプロプレイヤーがポーカーで生計を立てています。我々、Casino Journal編集チーム2人もつい1年半前まではアジア諸国でキャッシュゲームやトーナメントに参加して生計を立てていました。本編ではこれからポーカーを始めたいという方に向けて、基本的な情報をお伝えします。

1-2.テキサスホールデムの種類

テキサスホールデムではトーナメントとキャッシュゲームの2つの種類に分類することができます。
ゲーム性は一緒ですが、戦い方は野球とソフトボールくらい違うスポーツです。ただし、大半はキャッシュゲームが強いプレイヤーはトーナメントも強いという傾向があります。従って、まずはキャッシュゲームで力をつけることをオススメします。

1-3.テキサスホールデムのキャッシュゲーム

キャッシュゲームは通常、2人〜9人でプレーします。Max6人テーブルのキャッシュゲームなども存在します。

予めレートが決まっており、チップの購入にも下限、上限があります。慣れないうちはチップの購入は最下限が良いでしょう。
キャッシュゲームは人数が少ない多いによって多少プレイの仕方は変わります。もちろん、人数が多くいた方が自分のハンドが最も強い確率が低くなる為、よりタイトに戦う必要があります。
初心者のうちはどういったハンドで参加すれば良いかわからない為、まずは9人に近い人数でタイトに戦うことをオススメします。

1-4.テキサスホールデムのトーナメント

トーナメントは一律の参加料で一律のチップを購入し、着順次第で賞金を得られるというゲームです。ゲーム参加料(ブラインド)が徐々に上がっていく為、少しづつチップを増やして行く必要があります。
トーナメントによってはリバイ(チップの再購入)やアドオン(チップの追加購入)などもありますが基本的にはチップを失うと終了です。トーナメントは人数が多いほどプール賞金が上がる為、優勝すれば多額の賞金を獲得することができます。

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また、トーナメントに関しては途中参加も認められています。ある一定のレベルで新規登録や再購入を締め切る形になります。
賞金に関しては参加人数の上位20%前後が獲得できます。賞金を獲得することをITM(インザマネー)と言い、賞金獲得が決まった瞬間会場は歓声が上がります。

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2.テキサスホールデムのゲームについて

2.テキサスホールデムのゲームについて

まず、カードを伏せた状態で全員にカードが2枚ずつ配られます。
プレイヤーはその2枚のカードを見て、ゲームに参加するか否かを判断します。
順番に全員の判断を決定していき、全員の賭け金が揃ったら、ディーラーの前に表向きにカードが3枚配られます。

各プレイヤーはその場に出された3枚と、自分の持っている2枚のカードを組み合わせ、賭けるか降りるか判断します。
全員の賭け金が揃ったら、ディーラーが表向きにカードを1枚オープンします。場に配られている4枚のカードと、自分の持っている2枚のカードを使って、前回までと同じように賭け、もしくは降りを選択します。

全員の賭け金が揃ったら、ディーラーが表向きに更にカードを1枚オープンします。
この場に配られた5枚のカードと自分が持っている2枚のカードの組み合わせ、賭けるか否かを判断します。
最終的に残っているプレイヤー同士で場の5枚、手持ちの2枚のカードの合計7枚のうち、5枚でポーカーの役を作り、誰が強いかで勝敗が決定します。勝ったプレイヤーが、今までの賭けで貯まったチップを獲得します。途中で自分以外のプレイヤーが全て降りてしまった場合も残ったプレイヤーが勝ちとなります。

3.テキサスホールデムの手役の強さ

3.テキサスホールデムの手役の強さ

各プレイヤーに配られた2枚のカードと5枚の共有札(コミュニティ・カード)の計7枚を組み合わせて5枚で手役を作り、役の強いプレイヤーが勝ちとなります。
手役の強弱に関しては世間一般のドローポーカーと同様です。

手役(強い順)

ロイヤルフラッシュ AKQJTが同じスーツ(図柄)である
ストレートフラッシュ ストレートが完成して尚且つスーツ(図柄)が同じである
フォーカード 同じ数字のカードが4枚ある
フルハウス 同じ数字のカードが3枚と2枚の組み合わせである
フラッシュ 同じスーツ(図柄)が5枚ある
※同時成立時は手役を構成するカードの数位を基準とする
ストレート 56789のように連続した5枚の数字がある
※ただし、QKA23のようにAを挟むものはストレートにならない
スリーカード 同じ数字のカードが3枚ある
ツーペア 同じ数字のカードが2枚あり且つ2組ある
※ツーペア同士の勝敗は高ランクのペア → 低ランクのペア → 余った一枚 の順で決める。
ワンペア 同じ数字のカードが2枚ある
ハイカード 上記の役がいずれも成立していない場合

カードの強弱はAが最も強く、以下K, Q, J, 10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2の順となる。
※ただし、ストレートの場合は、A,2,3,4,5が最弱となり、10,J,Q,K,Aが最強となる

4.テキサスホールデムのゲームの流れ

4.テキサスホールデムのゲームの流れ

ゲーム開始の際は親となるボタンを決めます。
プレイヤーはそれぞれカードを一枚引き、1番強いカードを引いた人がボタンとなり目印がテーブルに置かれゲームがスタートします。

1ラウンドが終わると、ボタン、SB、BB共に時計回りで左へ一つずつ移動します。
これをひたすら繰り返して行きます。途中で参加する際にはどのポジションにいてもBBと同等のチップを置かないといけない場合もあります。

プリフロップ
ボタンの左隣がSB(スモールブラインド)、さらにSBの左隣がBB(ビッグブラインド)となります。
そして各プレイヤーに2枚のカードが配られます。SBから時計回りにカードが配られた後、BBはそのテーブルで決められた最低ベット額を、SBは最低ベット額の半分の額を強制的にベットしなければなりません。(1-3,2-5,5-5のようにSBがBBの半分ではないケースもあります。)

そしてUTG(アンダー・ザ・ガン)と呼ばれる、BBの左隣のポジションのプレイヤーは、BBのベット額に対してゲームを続けるかどうかを決めます。この時点では、配られた2枚のカードだけで判断しなければなりません。

フォールド(降りる)するか、コールしてBBと同じ額をベットしてゲームを続けるか、もしくはレイズ(ベット額をあげる)することができます。

SBとBBはすでにベットを置いているので、レイズが入った場合はチップを上乗せしてその額と同等もしくは更にレイズをしてゲームに参加することができます。BBに対してコールで回った際にはチェック(ステイ)のアクションも取ることができます。全員が同額のベットをした段階で次のフロップに進みます。

フロップ
フロップではテーブルの中央に3枚のカードが表向きに開かれます。この中央に開かれたカードは皆が使う共通カードで、コミュニティカードと呼ばれます。
この時点で、手持ちの2枚のカード、中央のコミュニティカード3枚を合わせた5枚でどんな役が作れたか、そしてこの後どんな役を作ることができるかの可能性を見ます。

SBから再び、チェックもしくはベットを決めます。ベットする場合は再度チップを置かなければなりません。そのベット額に対して、残りのプレイヤーはコールするか、フォールドするか、レイズするかを決めます。ここで強気の人は良いハンドを持っている可能性が高いですが、他のプレイヤーをフォールドさせる作戦という可能性もあります。この心理戦がポーカーの醍醐味でもあるのです。
ここですでに役ができていれば、この後さらに良いハンドになる可能性もありますが、他のプレイヤーのハンドも考慮してベットします。

もしフロップでSBがチェックしたとします。チェックをして次のプレイヤーのアクションをうかがうということですが、数人が続けてチェックで回し、あるプレイヤーがベットを置いたとすると、他のプレイヤーはこのベットに対してコールして続けるか、フォールドするか、もしくはレイズで上乗せするかの判断をします。このプロセスをプリフロップと同じく、皆のベット額が揃うまで続けます。仮に全員がチェックで回したとすれば、ベットなしで次のステージに進みます。

コールがあり、2人以上のプレイヤーが残っている場合、これまでの皆のベットはポットに追加され、次のラウンドへ進みます。
残ったプレイヤー全員がオールインすると、この時点でショウダウン(ハンドの公開)となり、コミュニティカードが5枚全てが開かれ勝敗を決めます。

ターン
コミュニティカードに4枚目の共通カードが表向きに開かれます。アクションはフロップと同様、皆チェックで回すか、もしくは皆のベット額が揃うまで各プレイヤーに回ります。

リバー
コミュニティカードに最後の5枚目のカードが表向きに開かれます。ターンと同じく、チェック、ベット、コール、フォールド、レイズを皆のベット額が揃うまで各プレイヤーに回ります。

オールイン(ALL-IN)
もしプレイ中にベットが跳ね上がり、同じ額をベットできないがゲームを降りたくない、という場合はオールインとしてみなされ、ショウダウンまでゲームを続けることができます。

例えば、誰かがオールインをしたとして、あなたもいいハンドを持っていて勝負したいが、オールインしたプレイヤーと同額のチップを持ってない、などという場合、あなたがその時点で持っているチップを全て賭けて、オールインが可能です。その場合、ベット額は揃っておらず、先にオールインしたプレイヤーには不利となってしまうので、サイドポットが置かれます。

メインポットとサイドポット
例えば、プレイヤーAが150$でオールインしたとします。そのときにプレイヤーBは100$持っており、プレイヤーCは50$持っていたとします。

この際にプレイヤーCは全額50$をオールインすることでゲームに参加し続けることができます。
プレイヤーAとBもオールインとなった場合、一番少額のプレイヤーCの50$と、プレイヤーAとBの50$ずつがメインポットに入ります(計150$)。
最高額150$でオールインしたプレイヤーAは、他に同額でオールイン出来るプレイヤーがいないので、100$でオールインしたプレイヤーBと同額でオールインすることしかできず、50$はプレイヤーAに返却されます。そしてプレイヤーAとBの、残りの50$ずつは、サイドポットに入ります(計100$)。

この結果、プレイヤーCが勝利した場合はメインポット(150$)はプレイヤーCのものとなります。ですが、サイドポットの中のチップ(100$)は、プレイヤーAとB間でより強いハンドを持つ方が獲得できます。プレイヤーAかBのどちらかが勝利した場合は、ポットもサイドポットも総取り(計250$)することができます。

プレイをやめるタイミング
やめるタイミングは基本的には自由です。チップを全て失うかもしくは途中でやめることができます。やめた際のチップがあなたの獲得金額となります。また、トーナメントに関してはチップが無くなる、もしくは最後の1人になるまでゲームは終わりません。

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5.テキサスホールデムのベット額について

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上述した通り、キャッシュゲーム、トーナメント共にSB(スモールブラインド)、BB(ビックブラインド)のベット額は強制Betとしてあらかじめ決まっています。
これに対するアクションとしてはコール、もしくはレイズもしくはフォールドとなる訳ですがレイズをする際には注意が必要です。

テキサスホールデムは通常ノーリミットなので、レイズ額について上限制限はありません。しかし下限の制限、つまりベットやレイズの場合には最低これ以上レイズしなければならないという決まりがあります。

①ミニマムベットの金額
ミニマムベット額はビッグブラインドの金額となります。
フロップ・ターン・リバーで最初にベットをする場合は、1BB以上からベット可能です。
1-2$ゲームであれば2$、5-10$ゲームであれば10$がミニマムベット額になります。

②ミニマムレイズの金額
レイズの場合は少し複雑で、最初にするレイズとリレイズで扱いが少し異なってきます。

ケース1:最初のレイズ
最初のベットの2倍以上の金額が必要となります。
プリフロップであればBBの2倍である2BB以上がミニマムレイズとなります。
フロップ以降であれば、誰かのベットの2倍がミニマムレイズとなります。フロップであるプレイヤーが10BBを打ってきた場合、20BBがミニマムレイズになります。

ケース2:リレイズ
誰かのレイズにリレイズをする場合のミニマムレイズは少し複雑で以下のような数式で求めることがあります。

直前のレイズ額+直前のレイザーが上乗せした額=ミニマムレイズの金額

実際に、数字で見ていきます。

15BBのベットに、誰かが40BBをレイズをしたのに対してリレイズをするケースを想定
直前のレイズ額 40BB
直前のレイザーが上乗せした額 40BB-15BB=25BB

したがってミニマムレイズの金額は65BB~となります。

③オールインについて
上記のミニマムレイズの例外として、プレイヤーがミニマムレイズ額に達しない金額しか持っていない場合はオールインすることができます。
この場合レイズが成立しないため、それ以降のプレイヤーはコールしかできません。