賭博黙示録Yo-chi 第4話 闇の中へ

1.Black Monday

4−1.Black Monday

 

翌週、僕はまたランチタイムにBabsを呼び出した。

 

彼は週末の僕の敗北のことを知っていた。

 

「負けたんだろ?奢るよ。」

 

彼は僕に同情してくれた。

 

流石に僕もあの倉庫の一員になっていたので彼に踏み込んで質問した。

 

「週末は結構ヤバそうなヤツがいて、いきなりレートアップしてきたけどあいつら大丈夫か?何者なんだ?」

 

Babsは笑って答えた。

 

「あいつらは賭場を運営している奴らで普段はポーカーとか野球賭博とかカードゲームの大元をやっているんだよ。」

 

21歳の僕にとっては賭場がどのようにお金儲けをするのかの理解に乏しかった。

 

ただ、はっきりと言えることは1ゲームを消化する度に勝者がチップを1$払う仕組みになっていた。

 

チップ社会のアメリカでは当たり前のことかと思い全く気になることは無かった。

 

しかし、一方で僕はゲームに負けるビジョンは見えなかった。寧ろ、もっと稼いでやるという気持ちの方が強かったのだ。

 

レートアップに備えキャリーケースの底にしまっておいた50,000円を握りしめ、僕は換金所へと向かった。

2.静止した闇の中で

4−2.静止した闇の中へ

 

その日の夕方、授業が終わると僕は真っ先に倉庫へと向かった。

 

この日は月曜日ということもあり、人の集まりが悪かった。

 

小1時間くらい経つとBabsを始め5、6人が集まりゲームがスタートした。

 

この日は早々と300$を溶かし僕は窮地に追い込まれていた。

 

手持ちの金額は残り500$。

 

まだ十分に取り返せる額だった。

 

上がりだと思っても返しを食らう。(このゲームの紹介記事はまた作ります。)

 

あたかも僕の手牌が見えてるかのようにこの日は惨敗だった。

 

残りの手持ちが100$近くとなり、今日はもう止めようと思った時、1人のプレイヤーがこう語りかけた。

 

「レートを2倍にしよう。負けてもツケでプレーできるから安心しろ。」

 

一瞬迷ったが、僕はもう後戻りはできなかった。

 

この日はその後も惨敗で、結局Total1500$負けで終了した。

 

帰り道。

 

闇を照らす街灯がどこか僕の心を余計、寂寥感に包んだ。

 

「俺は何しにここに来たんだろう。」

 

ポツポツと滴り落ちる雨は涙と化していた。

 

僕はそのまま、マスターのバーへと向かった。