6−1.息子の自殺
翌日、昼間にBabsに残りのお金を手渡した。
彼はまた急に優しくなった。
「金銭的に厳しいだろ?俺と一緒にノリ打ちで取り返すか?」
ノリ打ちは日本でも頻繁に行っていたため理解はしていた。
ノリ打ちにせよ資金がいるだろ、と思いながら僕は断った。
そう、この時はとりあえずマスターにお金を返すまではギャンブルをしないと心に決めていたからだ。
そのままBabsとは別れ、3時限目の講義を受け、そのままBarへと向かった。
マスターに昨日のお礼をした。
するとマスターは
「もう2度とあいつらと関わるな。」
強い口調でこう言った。
この時の僕は反論する立場ではなかったので頷くしかなかった。
すると、マスター自らその理由を話してきた。
どうやら、息子の自殺はまさに奴らから借金で追い込まれたことが原因であると知った。
僕は、鳥肌が立つと同時に奴らへの怒りが込み上げてきた。
それと同時に今までの、マスターの僕に対する行動に理解ができた。