賭博黙示録Yo-chi 第6話 復讐

1.息子の自殺

6−1.息子の自殺

 

翌日、昼間にBabsに残りのお金を手渡した。

 

彼はまた急に優しくなった。

 

「金銭的に厳しいだろ?俺と一緒にノリ打ちで取り返すか?」

 

ノリ打ちは日本でも頻繁に行っていたため理解はしていた。

 

ノリ打ちにせよ資金がいるだろ、と思いながら僕は断った。

 

そう、この時はとりあえずマスターにお金を返すまではギャンブルをしないと心に決めていたからだ。

 

そのままBabsとは別れ、3時限目の講義を受け、そのままBarへと向かった。

 

マスターに昨日のお礼をした。

 

するとマスターは

 

「もう2度とあいつらと関わるな。」

 

強い口調でこう言った。

 

この時の僕は反論する立場ではなかったので頷くしかなかった。

 

すると、マスター自らその理由を話してきた。

 

どうやら、息子の自殺はまさに奴らから借金で追い込まれたことが原因であると知った。

 

僕は、鳥肌が立つと同時に奴らへの怒りが込み上げてきた。

 

それと同時に今までの、マスターの僕に対する行動に理解ができた。

 

 

 

2.決意の夜

6−2.決意の夜

 

一連の話を聞き、どうやらあの倉庫にいる連中が息子の自殺の原因を作った奴らであることを確信した。

 

明るい未来を夢見る1人の学生の死が僕には許せなかった。

 

奴らは、Super  MJというサークルでギャンブルの賭場提供、大麻の売買、女の斡旋などで稼いでいることを知った。

 

似たような名前の犯罪サークルがあったW大学に通っていた僕であったが流石にここまで悪いことをする大学生は聞いたことはなかった。

 

ただ、ギャンブルに関しては絶対的な自信があった。

 

麻雀、スロット、競馬、FX。

 

全て、大学時代に数学的な理論で日々研究をしていた僕にとって、この組織をぶっ潰せるのは自分しかないと思っていた。

 

もちろん、マスターにこのことは伝えなかったがこの時、心の中では復讐することを決めていた。

 

あいつらの種が尽きるまで搾り取ってやる。

 

そう決意するとバイト中、その方法が頭から離れなかった。

 

まずはあのゲームを理解することから決めよう。

 

そう誓った。